リンク文字列は、そのリンク先がなんであるかを明示するべきです。スクリーンリーダの利用者はタブキー押下だけでリンクのみを辿って文章を読んでいくということをしばしば行いますが、こういう場合に、それぞれのリンク文字列が固有でなく「続きを読む」や「詳しくはこちら」となっていると、リンク先がなんなのかを把握しづらくなります。
ただ本達成基準では、文脈に頼ったリンク文字列の提供はよしとされています。たとえば書籍の内容がHTML、PDF、MP3で提供されている時に、最初のHTMLだけは書籍のタイトルをリンク文字列に含めているが、以降は「PDF」「MP3」と読み上げることが良しとされています。
また、同じ段落内や<h*>
の一群であれば、いわゆる「こちらリンク」さえも許されます("G53: リンクテキストとそれが含まれている文中のテキストとを組み合わせて、リンクの目的を特定する")が、「こちらリンク」については、そもそもあまり用いないほうが良いでしょう。
致命的なバリアではありませんし、JISなどの規格の中でも規定はないのですが、リンク先がPDF等のダウンロード用のファイルの場合は、ファイルであること、ファイルサイズも併記しておくと、誰にとっても便利が良いでしょう。
リンク先の消失などで、そもそもリンクが切れている場合、アクセシビリティの文脈で問うべき問題ではないかもしれませんが、使いづらいので改善しましょう。
原則 | 操作可能 | ユーザインタフェース コンポーネント及びナビゲーションは操作可能でなければならない。 |
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ガイドライン | ナビゲーション可能 | 利用者がナビゲートしたり、コンテンツを探し出したり、現在位置を確認したりすることを手助けする手段を提供すること。 |
達成基準 | リンクの目的 (コンテキスト内) (2.4.4 A) |
それぞれのリンクの目的が、リンクのテキスト単独で、又はリンクのテキストとプログラムによる解釈が可能なリンクのコンテキストから判断できる。ただし、リンクの目的がほとんどの利用者にとって曖昧な場合は除く。 |