日本語の例でいえば端的なものは人名や漢字の読み方がこれに当たるでしょう。rubyを付与したり、かっこで注釈を加えることが望ましいです。漢字の場合はそれで良いのですが、外国語の読み方などについて、手厚い対応としては、発音の音声ファイルを用意する対応も考えられます。
どの程度の漢字に読み仮名を振るかについては、"読解レベル"を準用して、前期中等教育レベル、というのがひとつの判断になると考えられますが、人名などはこの限りではないですし、じっさいのところ、中学校3年生レベルの漢字はそれなりに難しいこともあるので、このあたりは適宜判断が必要でしょう。
Understandingでは、文脈に依存した読み方(典型的な例は「方」を「かた」あるいは「ほう」と読む場合)について、言及があります。個別事例になりますが、「方」に関しては、スクリーンリーダはそれほど賢く判別はしてくれないのですが、しかしそれで意味がわからなくなるというほど致命的でもないため、問題は少ないと言えます。
いっぽう、これを「発音」の文脈に入れるべきではないかもしれませんが、日付をスラッシュで区切った場合は、分数に読まれることがあり、スクリーンリーダでのユーザビリティを高めるためには避けるとよいといわれることがあります。ただ、全盲視覚障害者もスラッシュ区切りが日付を表すことは知っているので、致命的であるとは言えません。
原則 | 理解可能 | 情報及びユーザインタフェースの操作は理解可能でなければならない。 |
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ガイドライン | 読みやすさ | テキストのコンテンツを読みやすく理解可能にすること。 |
達成基準 | 発音 (3.1.6 AAA) |
文脈において、発音が分からないと単語の意味が不明瞭になる場合、その単語の明確な発音を特定するメカニズムが利用できる。 |